Tシャツのウェア生地のお話

oz(オンス)って何?

Tシャツ生地の厚さを判断するスペックとしてoz(オンス)という数値が記載されていますが、これは正確には重さを表す表記なのでメートル寸法の日本ではあまり馴染みがありません。
Tシャツはやはりアメリカから普及した製品なので、現在でもTシャツ生地の表記には国内のブランドでもoz(オンス)表記になっています。

ヤード:ポンド法の単位で1ozが28.35g、この数値が大きくなればなるほど重くなり、生地が厚くなります。

Tシャツに使うoz(オンス)は面積に対する生地の重さとなり、一般的には下記のような数値がTシャツとして普及しています。

3~4oz(オンス)

薄手生地に該当するoz(オンス)で、価格も非常に安くイベント用ボディなどが多い。
最近は価格も高めで着心地の良い薄手生地Tシャツもあり、必ずしも品質が低いとは限りません。

5~7oz(オンス)

ヘビーウェイトと呼ばれる肉厚生地Tシャツで、特に6oz(オンス)以上はTシャツとしては本当に最高クラスのoz(オンス)

9~13oz(オンス)

トレーナーやパーカーのスウェット生地のoz(オンス)で、もっとも肉厚なスウェットが13.2oz(オンス)

oz(オンス)だけでは判断できない

Tシャツはもちろんどのメーカーも同じ生地を使っている訳ではなく、重さだけで生地の厚みが計測できる訳ではありません。
編み方や糸の太さや素材で、風合いも変化するため、oz(オンス)が高いという事はただ「重量がある」と判断できるだけです。

当然細い糸で編まれたコットン生地だと薄いのに重量があったり、ふんわりとしたオープンエンド糸で編み込みされれば重量の割に分厚く感じるものなど様々です。

特に最近では分厚くゴツいアメリカンTシャツよりも薄手生地で、着心地の良いTシャツが好まれる傾向にあります。
各ブランドでも着心地や肌触りを重視したアイテムが登場しているので、価格の高いTシャツでもoz(オンス)は低いものも多くなりました。

糸の太さを表す番手

アパレルの世界では番手と呼ばれる糸の太さの単位があります。この単位もメートル・グラムではなくヤード・ポンド法になり

重さ1ポンド(453g)あたり、
840ヤード(0.914m)の何倍になるのか?

で、番手と呼ばれる数値が表記されています。
この場合、番手の数字が大きくなるほど長さが長くなる事になるので、当然ですが数値が高いほど細くなり、もっとも太い糸が1番手と呼ばれます。
カタログには

28/

という様に記載されており、28/が28番手となります。
数値が多くなるほど糸が細いという意味なのでご注意ください。

さらに糸の種類からも判断してみましょう

 

Tシャツでは一般的に下記の3タイプの糸が使用されています。
品質も価格も

カード糸 < セミコーマ糸 < コーマ糸

とされ、より不純物を除去したコーマ糸がもっとも品質が高く、価格も高くなっていきます。さらに不純物をより取り除いたコーマ糸は、色染めを行った際にもカード糸に比べ色乗りが良く、染まり方もキレイに仕上がります。

カード

輸入Tシャツに多く見られる綿糸で、不良部分が約5%程度取り除かれています。
色ツヤが無い反面、涼感のあるラフな風合いになります。

セミコーマ
コーマ通し(コーミング・櫛掛け)により10%程度不良部分を取り除いた糸。
カード糸とコーマ糸の中間の風合いになります。

コーマ
綿花を紡ぐ最終工程で丹念にコーマ通しをして、15%~25%の不良部分を取り除いた非常に上質な綿糸。
このコーマ通しには不良部分を取り除くほかに、綿糸の繊維を一定方向(平行)にそろえる働きもあります。
コーマ糸を使ったTシャツは自然なツヤがあり毛羽立ちにくいので、洗う程に風合いが良くなります。

編み方から見る、生地の風合い

 

天竺編み生地
多くのTシャツ生地で採用されている編み方で、平編みとも呼ばれるもっとも一般的な編み方。
適度に伸縮性もあり耐久性にも優れています

フライス編み生地
首や袖の「リブ」に使われる、強度も大変高く強い伸縮性のある編み方
鹿の子編み生地
ポロシャツによく見られる表面に凹凸のテクスチャが出る編み方。
プリントの際には天竺ほど色乗りが良くなくフラットに仕上がりにくい

繊維製品品質表示規程の改正について

2016年12月1日より洋服の洗濯ネーム表示の絵表示が変わり、今まで日本国内用に表記されてきた絵表示が国際基準へ統一になりました。

新しい洗濯表示では、ドラム式洗濯乾燥機等による「タンブル乾燥」「酸素系漂白剤」の追加、適用温度などが細かく設定されたりと、表記がより詳しくなりお洗濯にお悩みが少しでも解消できるようになるようです。